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セルボ、初めての採血編
それはある日の出来事だった。
夜勤明けで帰った周子を出迎えたのは、可愛いお嬢ちゃま達。
しかし何やらセルボの様子がおかしい。一週間くらい前からちょっと気になっていた。
そこで周子、セルボを抱えて、獣医さんにダッシュした。
獣医さん「今日はどうしました」
周子「なんだか様子がおかしいんです」
獣医さん「どんなふうにおかしいんですか」
周子「だからちょっとおかしいんです」
獣医さん「だからどんなふうに」
周子「具合がおかしいんです」
獣医さん「だからどんなふうに!!」
周子「だから〜」
・・・・周子も人の子の親でありました。
そしていよいよ初めての採血に挑戦。
それでなくとも獣医大嫌いのセルボ。
かごから出すのも一苦労。
診察台にのせるのも一苦労。
そして採血は、三人かがり。
周子、獣医さん、アシスタントさん。
みんなで押さえ付けて、先生が採血した。
「セルちゃん、がんばって。おうち帰ったら、大好きなモンプチあげますよ」
周子も声かけなどして、必死である。
程なくてして無事に採血は終わった。
終わった途端、周子ママにしがみついてきたセルボ。
ああ、かわい〜。
セルボの可愛さを再確認した初めての採血だった。
勿論、検査結果は異常なしだった。
いや〜、よかったよかった。
ボスはモ-ド!?編
猫にも勿論猫関係がある。
力関係がある。
うちではどうもモ-ドがボスのようである。
弄られるのはいつもシ-マ。
可哀想にシ-マはいつもモ-ドの顔色を伺っている。
そしていつも二匹から少し離れているところで寝たり、遠くからママを見つめている。
へたにママに近寄ろうとすると、モ-ドがその行く手を塞いだりしてる。
あまりに可哀想に思った周子は、ある日モ-ドを里子に出すことを決意!!
これで少しでも、性格がよくなってくれればと思ったのだが、それは間違いだった。
一月くらいの予定で預けたのだが、ママのほうが落ち着かない。
残された二匹の猫達のほうがど-んとしたものである。
少しも寂しがらない。
シ-マは分かるが、セルボまで呑気なものである。
そんな様子を見ていて、ますます不安になってくる。
向こうの家で虐められてはいないだろうか、御飯はちゃんと食べているだけだろうか。
トイレはちゃんと出来ているだろうか。
そして三日目の朝、周子の不安は頂点に達した。
もういけない。
何も考えず周子はバスケットを持って迎えに行った。
久しぶりにモ-ドと体面した周子。
モ-ドは怯えていて、なかなか物陰から出てこない。
やっとのことで抱き締めると、なんと先住猫に向かって威嚇し始めた。
友達に聞くと、とどうもかなり派手に先住猫とやったらしい。そして負けなかったらしい。
どうやら預けた先でもボス争いをし、ひけを取らなかったようだ。
さすがママのモ-ド。
そして家に連れて帰って来たモ-ドのボス態度は更にヒ-トアップ。
いまでもモ-ドのボスの座が変わらないのであった。
しかし家に連れて帰って来たその日、安心したようにセルボと抱き合って眠っている
その寝顔を見た時、何があってももう絶対はなさないと周子は改めて決意したのであった。
引っ越し、その時!!編
猫は家につく。
よくそんなことを言われるけど、そんなものはもう昔の話だと思っていた。
少なくとも、うちのセルボ・モードはママについている、そう思っていた。
しかし、引っ越しの準備に入った一週間くらい前から、二匹の様子がおかしい。
ママが猫部屋に入っていくと、そそくさと押入れの中に入って、隠れてしまう。ママが呼んでも出で来ない。
そして荷造りをするままの姿を遠くから眺めている。
どうやら言葉は通じないが、猫なりに、いろいろ感じ取っているようである。
不安な気持ちが、よく伝わってくる。
猫は周りの環境に敏感なんだなあ、とあらためて思った。
そしていよいよ引っ越し当日。
二つのバスケットを用意した。
いつもはいやがるバスケットに、すんなり入っていくセルボ・モード。
置いていかれるかもしれないと思ったらしい。
ようするに、二匹の心配は、どこかに移動することではなく、置いていかれる恐怖から来たものだった。
やっぱり、猫はママについていた。
あらためて思ったのである。
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